国選弁護人と私選弁護人のちがい
刑事事件において、被疑者・被告人の手続きのために弁護活動を行う弁護士を「弁護人」といいます。
「弁護人」には、「私選弁護人」と「国選弁護人」がいます。
「私選弁護人」は、被疑者・被告人やその家族などが自由に選任することができ、弁護士を選択することができます。
「国選弁護人」は、経済的理由により私選弁護人を付けることできない場合に、国(裁判所)が選任します。
どちらの弁護人も、権限に違いはなく、被疑者・被告人のために全力を尽くすものです。ただ、「国選弁護人」が選任されるのが勾留決定後となるのに対して、「私選弁護人」は逮捕初期の段階から(任意取調べ等)のタイミングで付けることができる点が私選弁護人を選任するメリットの一つです。
「私選弁護人」は、勾留決定前に選任することができるため、勾留却下や不起訴処分になるよう早期の時点で争うことができる点で、メリットがあるといえます。逮捕勾留は最大23日にもおよび、身体的精神的に著しい負担が生じることからすると、早い段階で積極的な弁護活動ができるのは重要な意味を持ちます。